ブログを始めたとき、びっくりするほど「文章を書くこと」が難しく感じませんでしたか?
一体なにが難しいのかというと、書きたいと思っているのに言葉がまったく出てこないのです。わたしも少しずつ書けるようになってきましたが、それでも何だか伝えたいことと違う……。
「書きたい文章が書けない」
そんなふうに考えていたとき、手にとった本が古賀史健さんの著書「20歳の自分に受けさせたい文章講義」でした。
「文章を書くとはどういうことなのか?」「どうしてわたしたちは書けないのか?」そんな疑問に答えてくれます。この記事は、次のような人におすすめです。
- 書こうとすると手が止まってしまう
- 頭のなかにある考えをうまく文章にできない
- ブログが書けなくて悩んでいる
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の紹介と感想をまとめてみました。もしかすると、わたしと同じようにあなたが文章を書けない理由もわかるかもしれません。
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」ってどんな本?
- タイトル 20歳の自分に受けさせたい文章講義
- 著者 古賀 史健
- ページ数 280ページ(新書)
- 発行日 2012年1月25日
- 発行所 株式会社星海社
- 価格 Kindle版:914円 新書:924円 (※Amazon 2020年8月時点)
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は、ライターである古賀史健さんによって書かれたビジネス書です。文章を書き続けてきたからこそ、得ることができた知識を余すところなく解説されています。
ライティングの勉強本としておすすめされていることが多いので、ライターさん、ブロガーさんは既に目にしたことがあるかもしれませんね。
著者 古賀史健さんについて
1973年福岡生まれ。「書くこと」に特化したライターズ・カンパニー、株式会社バトンズの代表取締役社長。
ビジネス書や教養書などを手がけ、多くのベストセラーを生み出しています。主な著書は、「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」など。
嫌われる勇気
主人公である青年と哲学者の対話を通じて、アドラー心理学について描かれた大ベストセラー本。人間関係で悩んでいる人に勇気を与えてくれる一冊。
幸せになる勇気
「嫌われる勇気」の完結編です。アドラーの教えを知り、新たな一歩を踏み出した青年。しかし、彼はふたたび悩みを抱え哲学者のもとを訪ねてきました…というところからお話が始まります。
古賀史健さんの本は、どれも非常に読みやすいです。スッと言葉が頭の中に入ってきます。
参考|株式会社バトンズ
参考|古賀史健さんのnote
おしゃべりならできるのに書けないのはなぜか
あなたは文章を書くのが得意ですか?
まるで、話をするかのように文章がスラスラ書けてしまう……のなら羨ましいかぎりです。しかし、文章を書くことを苦手とする多くの人は、話すように文章は書けない、ですよね。
「おしゃべりなら、いくらでもできるのに……」
「同じ日本語なのにおかしいなぁ」
なんて思っている方もいることでしょう。「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の冒頭で、”なぜ話せるのに書けないのか”バッサリと結論が書かれています。
「話すこと」と「書くこと」は別物!
こう考えてほしい。
言葉を話すとき、あなたは”テレビ”である。
満面の笑みを見せることもできるし、怒鳴り声を上げることもできる。自分の気持ちを、言葉、表情、声、身振りなど、さまざまな道具を使って伝えることができる。実際そうやって話しているし、相手も素直に理解してくれるだろう。
一方、文章を書くときのあなたは”新聞”である。
喜怒哀楽を表情で伝えることもできないし、怒りに震える声を聴かせることもできない。テレビどころか”ラジオ”ですらないのだ。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 古賀史健著
文章を書くとき、わたしたちは文字だけしか使えません。
話すときの表情、声などで伝わっていた“あなたの気持ち”を文字だけで表現しなくてはいけません。だから、話せるのに書けないのはちっともおかしくなんてない。
同じ日本語にもかかわらず「話し言葉」と「書き言葉」はまったくの別物というわけですね。
自分の気持ちを文章だけで伝える方法
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」では、自分自身の気持ちや考えを文章だけで表現する方法が講義形式で書かれています。
- ガイダンス …文章とは何か?
- 第1講 リズム …読みやすい文章とは?
- 第2講 構成 …構成はどうすればいい?
- 第3講 読者 …読者を引きつけるには?
- 第4講 編集 …文章の編集とは何か?
ここでは、その講義のなかの土台となる部分であり、個人的に最も面白かったガイダンス「文章とは何か?」について触れたいと思います。
言葉にできない、頭の中にある「ぐるぐる」
わたしたちの頭の中には、言葉にならない考えや気持ちがたくさん浮かんでいます。
例えば、音楽を聞いたときに感じた切ない気持ちであったり、恋人とケンカしたときの爆発しそうな気持ち、何か良いことが起こりそうな予感。
このぼんやりとした”感じ”や”思い”のこと、そしてそれが駆けめぐるさまのことを、ぼくは「ぐるぐる」と呼んでいる。
われわれが文章を書くときに引っかかってしまうのは、まさにこの点だ。
作文の授業で「思ったとおりに書きなさい」と言われても、頭の中を駆けめぐっているのは言葉以前の「ぐるぐる」である。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 古賀史健著
古賀さんは、この言葉にできない頭の中にあるものを「ぐるぐる」と呼んでいるそうです。
たしかに、わたしにも「ぐるぐる」があります。文章が書けないとき、言葉ではなく「ぐるぐる」で頭の中がいっぱいになっているのですね。
文章とは、頭の中の「ぐるぐる」を言語化したもの
頭の中の「ぐるぐる」を、伝わる言葉に”翻訳”したものが文章なのである。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 古賀史健著
言葉になっている気持ち、言葉になっていない気持ち、両方合わせて自分の気持ちです。
だからこそ、自分の気持ちを文章にするには、相手に伝わる言葉へ”翻訳”しなくてはいけません。
文章にするために考える
例えば、今読んでもらっているこの記事を例にしてみましょう。
もしも、本の感想が次のような文章だけだったらどうですか?
「20歳の自分に受けさせたい文章講義を読みました。すごい本でした。」
これでは、何がすごかったのか全然分かりませんよね。ただの報告です(笑)
感想の中に、わたし自身の考えや気持ちが入ってません。
けれど、本を読み終わったあとのわたしの感想は、上の文章とほぼ一緒です。「すごい本だ。文章を書くために何か大事がことが書かれている…」というようなふわっとした思いがあるだけでした。
頭の中を整理して、まだ言葉になっていない「ぐるぐる」の部分について考え、文章にしなればいけないのですね。
書くことで答えを見つけていく
「答えが分からないからこそ、書こう!」と古賀さんと言います。
われわれは、理解したから書くのではない。
理解できる頭を持った人だけが書けるのではない。
むしろ反対で、われわれは「書く」という再構築とアウトプットの作業を通じて、ようやく自分なりの「解」を掴んでいくのだ。
順番を間違えないようにしよう。人は解を得るために書くのだし、解がわからないから書くのだ。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 古賀史健著
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」について記事を書く前は、「これは、とにかくすごい本だ」というぼんやりした状態。
記事を書いて言葉に変えていくにつれて、だんだんと自分がどこに注目していたか、なにを大切だと思ったかなどが見えてきました。
この記事がまとまるまで、書いたり消したり繰り返しているうちに、だんだん自分なりの答えが見つかったのですね。
わたしたちは「書くために考え、考えるために書く」
文章を書くことは、自分自身をより深く知るきっかけにもなると思います。
わたしたちの生活に「書くこと」は溢れている
ブログ、LINE、Twitter、メール、書類作成、チャット…。
わたしたちは、仕事でもプライベートでも、文章を書いてコミュニケーションをとる機会が多いですよね。文章を書くことは、誰もが必要とする能力と言えるでしょう。
そして、自分の考え、気持ちを伝える文章力を身につけることは、きっと今後もあなたを助けてくれるはずです。
わたしにとって「20歳の自分に受けさせたい文章講義」は、何歳でも何度でも読みたい本でした。
本記事では「文章とは何ぞや?」の部分にフォーカスをあてて説明しましたが、さらに踏み込んで、どうすれば伝わりやすい文章になるのか、句読点の使い方や文章の構成など、文章の技術についても詳しく書かれています。
そして、その方法がまさに「20歳の自分に受けさせたい文章講義」のなかで実践されており、めちゃくちゃに読みやすいです。
著者である古賀さんの頭と自分の頭の中がつながっているような不思議な感覚を味わえますよ(笑)
AmazonKindleを使っている方は試し読みができます。ぜひ冒頭部分だけでも、読んでみてくださいね。
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